基調骨子
一、去る12月6日、安田好弘弁護士(第二東京弁護士会所属)が、「強制執行妨害」なる理由で逮捕されるとともに、安田弁護士が、あたかも「悪徳弁護士」であるかの如き情報が喧伝されるに至った。
二、周知のとおり、安田弁護士は死刑廃止運動に全力を傾注し、「新宿西口バス放火事件」など数多くの重大かつ困難な刑事事件の弁護活動も率先し、現在はオウム真理教麻原彰晃被告人の主任弁護士を勤めるなど、弁護士に課せられた職責を全うすべく活動している最も先進的な弁護士である。
三、弁護士活動が国家権力や社会的権力との厳しい緊張関係に立ち、民事事件においてもこれら権力からの攻撃を受けてきたことは歴史が示すところである。小作争議で小作人側の弁護士が稲の確保を指導した行為が国家権力と地主によって窃盗罪とされ、逮捕されたこともある(「高松事件」、1924年)。そしてこの事件を契機として、国家権力による弁護士活動への規制と介入が激化し、ついに弁護士が社会的使命を遂行することができなくなってという戦前の歴史的経過、今回の安田弁護士の逮捕においても想起すべき教訓である。
四、いずれにせよ「強制執行妨害」を理由とする弁護士の逮捕はかって例がない。また刑事訴訟法上も、常時かつ公然と弁護士業務に精勤している安田弁護士の逮捕を合法・正当とする理由は皆無であり、今回の逮捕の目的は安田弁護士自身の活動の制圧と安田弁護士のような活動を目ざす弁護士に対する国家権力による威嚇と判断せざるをえない。
よって、安田弁護士の人権擁護のための諸活動を知る私たちは、今回の不当逮捕に満腔の怒りを込めて抗議するとともに、即時安田弁護士の釈放を求めるものである。
1998年 12月 16日
安田弁護士不当逮捕抗議集会実行委員会