安田さんと麻原弁護団が、麻原裁判担当の東京地方裁判所刑事第7部に提出した意見書です。転載は自由です。

安田好弘意見書

 私において、辞任を申し出る意思はありません。また、私が解任されるとすれば、それは不当であり、およそ承服できません。
 私が麻原法廷に出廷できないのは、これを妨害されているからであって、私の意思によるものではありません。私は従前どおり、弁護活動に従事する意思を有しています。
 私は無実であり、私に対する身柄拘束は不当です。これらは、いずれも捏造された証拠によるものであり、私をして麻原法廷に出廷させなくすること及び私を解任させることを目的とするものです。裁判所は私の復帰を待つべきであると考えます。
 私は、弁護士会の推薦を受けてこの職にあり、弁護士会の仕事の一つとして執務してきました。裁判所にあっては、弁護士会の意見を十分に聴取されるよう求めます。
 なお、資料として、私の裁判における私及び弁護人の意見書を別途提出します。
 1999年3月15日


麻原弁護団意見書

 安田弁護人解任問題に関する意見書

一、安田弁護人は、主任弁護人として、訴訟記録の全体に最も通暁している一人であり、弁護人らが、訴因ごとの事件の特徴や関係証拠等を分析し、訴因相互の関連性や過去の事実経過を総合しつつ、必要かつ適正な弁護方針を策定し、個別の証人尋問等を適切に進めていく上で、現在もなお、引き続き優れた指導性を発揮している重要かつ不可欠の戦力である。

二、弁護人らは、国選弁護人に選任されてから、ほぼ三年半の間、一二人一体のチームとして弁護活動を推進してきたものであり、このチームであるからこそ、いかなる苦難の状況にも耐えることができたし、どのように困難な課題にも対応してくることができたのであって、安田主任弁護人は、つねに、そのような弁護人らの活動の中心的役割を果たしてきた。

三、安田弁護人の起訴罪名である「強制執行妨害罪」は、もともと、法定刑の長期が懲役二年であり、選択刑として罰金刑も規定されている程度の処罰条項であるから、安田弁護人の事案は、いつまでも、権利保釈を拒否し、勾留を継続できるような性質のケースではなく、逮捕・勾留の必要性を認定したこと自体が既に各界の強烈な批判を浴びてきたのである。

四、安田弁護人本人とその弁護人らは、右の公訴事実が警察・検察の証拠捏造による事件捏造であって、無罪であることを明確に主張し、その公訴事実には「罪となるべき事実」の記載さえ欠けている旨をも指摘しているのであり、「無罪の推定」を受けているはずの安田弁護人が、そのような起訴と勾留によって、いかなる意味の不利益も課されてはならない。

五、安田弁護人は、一方で違法・不当な起訴と逮捕・勾留・保釈却下などの措置によって違法・不当に身柄を拘束され、他方では麻原裁判における欠席状態を理由として国選弁護人を解任されようとしているのであるから、これは裁判の効率化だけを狙い、闘う弁護士をつぶしていこうとする偽りの現代的「司法改革」の策動と実質的に同じであること明白である。

 このように、裁判所が指摘している安田弁護人の麻原公判欠席は、本質的に、安田弁護人の意思に基づくものではないばかりか、安田弁護人の都合や責任に起因するものでもない。
しかも、安田弁護人の戦力は引き続き弁護人らに不可欠なのである。
 また、安田弁護人の公判欠席以後も、弁護人らは、前記の通り、一二人一体のチームとして、安田弁護人の助言・協力を得ながら整然と公判審理を進めてきたのであって、今、ことさらに安田弁護人を解任しなければならない実質的な必要性は全く存在していない。
 したがって、弁護人らとしては、裁判所が検討しているという安田弁護人の国選弁護人解任の合理的理由を全く発見することができない。
 弁護人らは、そのために、全員が一致して、右一・二項の事実を十分に踏まえつつ、三・四項の問題点を正確に認識した上で、五項の点には強く反対することを明らかにし、安田弁護人の国選弁護人解任を認める余地のないことを強調するとともに、仮にも、その措置が実行された場合には、今後とも、徹底的に闘い抜くことを宣言する。
 一九九九年三月一八日